【漫画】伊能忠敬 何時でも再出発できる
伊能忠敬(1745-1818)
江戸時代の商人・測量家。日本で初めて正確な日本地図を作成したことで有名です。
上総国(現在の千葉県)に生まれ、17歳の時に酒造家の伊能家(現在の千葉県香取市佐原)に婿入りし稼業を継ぎます。
佐原村の名主として懸命に働き、49歳の時に家督を長男・景敬に譲り隠居。
そして江戸へ出て幕府天文方の高橋至時に弟子入りし、暦学や天文を学ぶようになりました。
やがて地球の大きさを知りたいと思った忠敬は、江戸から北海道までの測量を自費で行い、海岸線の正確な地図を作成します。
それを機に徳川幕府の保護のもと日本全国を測量に回るようになり、測量を終え地図作成中の73歳で死去。
その後弟子たち手により『大日本沿海興地全図』という日本全図が完成しました。
50歳から新たに始めた勉学で、歴史に残る大事業を残した伊能忠敬。
人は、いつからだって再出発できる。それを実地に教えてくれる素晴らしい人ですよね。
(マンガは『歴史人物に学ぶ 大人になるまでに身につけたい大切な心』第2巻より)
【漫画】パスツール 狂犬病との闘い
ルイ・パスツール(1822-1895)
フランスの化学者、細菌学者。フランス東部の貧しい家に生まれながらも、パリ高等師範学校を出て化学を専攻しました。
ぶどう酒が腐る原因を調べることで、微生物学に携わるようになり、腐敗を防ぐために生み出した低温殺菌法(パスツーリゼーション)は現在でも広く使われています。
またカイコの病気の原因を突き止めてフランスの絹織物産業の危機を救い、さらには炭疽病や狂犬病のワクチンを開発して予防接種に成功。
その功績を讃える寄付によりパスツール研究所が建設され、初代所長に就任しました。
狂犬病ワクチン
現在の日本において、人が狂犬病で死ぬニュースはほとんど聞きません。
それは法律による狂犬病予防接種が徹底されているからに他なりませんが、世界では毎年約5万人もの死者が出ています。
発病すれば、必ず死に至る恐ろしい狂犬病に、パスツールは果敢に取り組みました。
実は彼が9歳の時、狂犬病のオオカミに噛まれた8人が死亡する事故を見ています。
当時は噛まれた部分に赤く焼けた鉄コテを当てるという荒療治しかなく、それでも助かるかどうか分かりません。
そんな悲惨な光景を目の当たりにしたパスツールの幼い記憶が、後年の激しい研究に向かわせたのでしょうか。
ちなみに、パスツールと日本に意外なつながりがあります。
カイコの伝染病研究の折、病気にならない日本のカイコが注目され、当時の江戸幕府将軍徳川家茂からフランス皇帝に健康なカイコの卵が贈られました。
それをパスツールは研究に役立てたという話があります。
(漫画は『歴史人物に学ぶ 大人になるまでに身につけたい大切な心』第2巻より)
【漫画】徒然草188段 最優先すべき目的は?
徒然草188段の話。
こうして見れば、何とも愚かな男だと思ってしまいますが、でも自分に引き当てて、考えてみましょう。
しなきゃいけないことがあるのに、ついつい目先のことに流されてしまう自分がいないか、と。
吉田兼好は、ここで指摘しています。
「愚かなのは、この男だけではない。大きな目標を立てても、『まだまだ生きていられる』とのんびり構え、目の前のことに心を奪われている者ばかりだ。 これでは、何一つ成し遂げられないだろう。」
今日1日のことだけではなく、人生という広い視野で考えても、とても大切な教訓を教えてくれていますよね。
(マンガは『歴史人物に学ぶ 大人になるまでに身につけたい大切な心』第2巻より)
【漫画】デットマール・クラマー 日本サッカーの父(1)
ドイツ出身のサッカー指導者。
コーチとしてサッカー日本代表チームを基礎から育て上げたことから「日本サッカーの父」と呼ばれます。
クラマーは幼くしてサッカーの才能を認められ、16歳ではドイツトップチームへ昇格。
しかし、第二次世界大戦でドイツ軍パラシュート部隊に配属され、レニングラードで捕虜となります。
ドイツ敗戦後に帰国しサッカーを再開したものの足の故障により、指導者に転身。彼の書いた指導書はベストセラーにもなりました。
さて、昭和三十年代前半、アジアで最弱の日本チーム立て直すため外国からプロのコーチを招く……現在では普通の考えですが、当時はそんな発想はありませんでした。
日本代表のチームを、日本人ではない、外国人にゆだねることは、日本人指導陣にとっては屈辱的なことでした。
ですから、強い反対意見もありました。
では、どこの国から? イングランドやブラジル・ソビエト連邦など強豪国はありましたが、色々と縁のあった西ドイツを選択します。
日本より西ドイツサッカー協会に協力を依頼。西ドイツは日本に全面的に協力することを決め、コーチとしてデットマール・クラマーを推してきました。
1960年8月、日本代表は欧州へ遠征しクラマーと会い、10月にはクラマー自身の来日が決まりました。
さて、クラマーは、一体どんな策を持って日本サッカーを立て直していくことになるのでしょうか。
(つづく)
(漫画は『歴史人物に学ぶ 大人になるまでに身につけたい大切な心』第4巻より)
【漫画】緒方洪庵 伝染病と闘った江戸時代の医師
緒方洪庵(1810-1863)
江戸時代後期、備中国(今の岡山県)の武士の子として生まれた緒方洪庵は、幼い頃にコレラの大流行を目の当たりにします。
次々に命を落として行く人々……彼は強く医学の道を志すようになります。
そして、武家の跡取りをするよう迫る親を説得し、大坂に出て医者になりました。
当時は天然痘など伝染病で命を落とす人が多く、洪庵はその予防治療に尽力し、大勢の命を救ったのです。
また洪庵は「適塾」を開き、教育にも力を注ぎ、福澤諭吉など幕末から明治維新にかけて活躍した人材を多く育てました。
その適塾は、今の大阪大学の前身となったのです。
(マンガは『歴史人物に学ぶ 大人になるまでに身につけたい大切な心』第3巻より)
【漫画】カーネル・サンダース「フライドチキンを世界へ!」
カーネル・サンダース(1890-1980)
本名はハーランド・デーヴィッド・サンダース。
彼が6歳の時に父親を亡くし、子供のころから農場や電車の車掌など様々な仕事をしていました。
やがてケンタッキー州のガソリンスタンドを経営し、その一角に椅子とテーブルを置いて「サンダース・カフェ」を開き、やがて大きなレストランに発展します。
その店の目玉商品だったフライドチキンは、サンダースが11種類のスパイスを独自の分量で混ぜ合わせた秘伝の味。
その製法は現在でも引き継がれ、いまや世界中の人々に愛されています。
ただ、その「世界のサンダース」になるまでには、並々ならぬ苦労がありました。
そもそも、彼は65歳でほぼ全財産を失っています。そこから奇跡の逆転劇があったのですから……!
(漫画は『歴史人物に学ぶ 大人になるまでに身につけたい大切な心』第5巻より)