【漫画】パスツール 狂犬病との闘い
ルイ・パスツール(1822-1895)
フランスの化学者、細菌学者。フランス東部の貧しい家に生まれながらも、パリ高等師範学校を出て化学を専攻しました。
ぶどう酒が腐る原因を調べることで、微生物学に携わるようになり、腐敗を防ぐために生み出した低温殺菌法(パスツーリゼーション)は現在でも広く使われています。
またカイコの病気の原因を突き止めてフランスの絹織物産業の危機を救い、さらには炭疽病や狂犬病のワクチンを開発して予防接種に成功。
その功績を讃える寄付によりパスツール研究所が建設され、初代所長に就任しました。
狂犬病ワクチン
現在の日本において、人が狂犬病で死ぬニュースはほとんど聞きません。
それは法律による狂犬病予防接種が徹底されているからに他なりませんが、世界では毎年約5万人もの死者が出ています。
発病すれば、必ず死に至る恐ろしい狂犬病に、パスツールは果敢に取り組みました。
実は彼が9歳の時、狂犬病のオオカミに噛まれた8人が死亡する事故を見ています。
当時は噛まれた部分に赤く焼けた鉄コテを当てるという荒療治しかなく、それでも助かるかどうか分かりません。
そんな悲惨な光景を目の当たりにしたパスツールの幼い記憶が、後年の激しい研究に向かわせたのでしょうか。
ちなみに、パスツールと日本に意外なつながりがあります。
カイコの伝染病研究の折、病気にならない日本のカイコが注目され、当時の江戸幕府将軍徳川家茂からフランス皇帝に健康なカイコの卵が贈られました。
それをパスツールは研究に役立てたという話があります。
(漫画は『歴史人物に学ぶ 大人になるまでに身につけたい大切な心』第2巻より)